バーンアウトの要因

介護の仕事には体力的負担の大きさや人間関係などさまざまな課題があり、ストレスの蓄積によってバーンアウトの症状を来す介護職もいます。介護の現場におけるバーンアウトは、これまで介護の仕事に没頭していた人が、極度の疲労感を訴え始めてだんだん意欲を落としていく症状をいいます。燃え尽きたような感覚に陥るため、燃え尽き症候群とも呼ばれています。バーンアウトは気持ち的な側面が大きく、うつ病の一種という説もあるそうです。個人の性格や年齢、仕事をする上での環境などが、発症の要因と考えられています。介護の仕事の特徴に、人相手の仕事という点が挙げられます。そしてその「人」とは、身体機能が低下して介護が必要になった高齢者のことを指します。介護サービスの利用者のなかには認知症の診断を受けた人もいて、思うように意思疎通が図れずストレスを抱えるようになるケースもあります。

ほかにも、介護の仕事に熱心に取り組むあまり、頑張りすぎて限界を超えてしまうこともバーンアウトの要因になります。介護の仕事では、利用者一人ひとりのケアプランに基づき介護サービスを提供します。そして、介護の基本といわれているのが、傾聴・受容・共感の姿勢です。利用者から心無い言葉を言われたり、納得のいかない仕事をしたりすることもあるでしょう。しかし、介護職は常に利用者サイドに立たなければならず、仕事熱心で利用者に寄り添う気持ちが強い介護職ほどバーンアウトになりやすいといわれています。ケアプランに基づく介護を行うことはもちろんですが、ある程度はオンとオフをしっかりと切り替えて過ごすことが大切です。